1この資料の読み方
「CLI AIと連携できる解析ツール」には、大きく3つの接続の仕方がある。どれもClaude Codeが自分でスクリプトを書いて実行するか、公式・準公式のMCPサーバーを介して対話的に呼び出すかのどちらか。
| 接続の仕方 | 説明 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| API直叩き | 公式APIをClaude Codeが自分でスクリプト化して呼ぶ。認証情報(鍵・トークン)を一度設定すれば繰り返し使える | 定期処理(月次レポート等)・自動化 |
| MCPサーバー | Model Context Protocolのサーバーとして接続し、Claude Codeが対話の中でツールとして直接呼ぶ | その場の探索的な質問・対話的な深掘り |
| 管理画面エクスポート | 公式APIが無い/限定的なツールは、管理画面からCSV等をエクスポートしてClaude Codeに読み込ませる | API未整備のツール・小規模利用 |
各ツールの表にある「講座」列は、エキスパート講座Aの当日ワークで実際に接続・使用するかどうかを示す。講座で使用と書かれた4つ(GA4・Search Console・PageSpeed Insights・Microsoft Clarity)以外は、本キット(ec-transplant-kit)の対象外だが、Claude Codeでの接続自体は技術的に可能。
2講座で使う4ツール(詳細)
ec-transplant-kitのanalytics-connectスキルが実際に案内するのはこの4つだけ。詳細は各references/*.mdを参照。
Google Analytics 4(GA4) 講座で使用・必須
本キットの土台。6ナンバーズ(顧客数・購入単価・購入頻度・ユーザー数・転換率・平均注文金額)の計測、購入経路(ファネル)分析、チャネル別・ランディングページ別のアクセス解析まで、ほぼすべての数値の出どころ。
| できること | 売上・訪問者数・転換率・チャネル別流入・購入ファネル・商品別売上・ユーザー属性(地域/年齢/性別/デバイス)など、EC分析に必要な指標のほぼ全て |
|---|---|
| 認証方式 | サービスアカウント(SA)を「閲覧者」として招待。無期限・失効しない |
| API | Google Analytics Data API(レポート取得)/Admin API(プロパティ管理・確認用) |
| MCP | Google公式 google-analytics-mcp(experimental)。対話的な探索用の補助手段(詳細はreferences/ga4.md) |
| 費用 | API自体は無料(GA4のクォータ内) |
| 難易度 | 簡単(アカウント単位の招待で配下の全プロパティに一括で効く) |
Google Search Console(GSC) 講座で使用
検索エンジンからの見込み客の入口を把握する。どんなキーワードで・何回表示され・何回クリックされ・平均何位に出ているかを見る。seo-strategy・cross-pageで使う。
| できること | 検索クエリ別のクリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位。ページ単位の検索パフォーマンス |
|---|---|
| 認証方式 | SA招待(GA4と同じGCPプロジェクトのSAを使う。ただし招待はサイト単位=1件ずつで、GA4のようなアカウント単位の一括招待は無い) |
| API | Search Console API(searchanalytics.query等) |
| 費用 | 無料 |
| 難易度 | 普通(サイト単位の登録が必要) |
PageSpeed Insights(PSI) 講座で使用
表示速度を測る。LCP(表示完了までの時間)・CLS(レイアウトのガタつき)などのCore Web Vitalsを取得し、遅いページ・不安定なページを特定する。
| できること | ページ単位のパフォーマンススコア・LCP・CLS・INP等。モバイル/PC別の実測(フィールドデータ)とシミュレーション(ラボデータ) |
|---|---|
| 認証方式 | APIキーのみ(SA不要)。GCPで1つ発行するだけ |
| API | PageSpeed Insights API |
| 費用 | 無料(1日25,000リクエストの実質無制限に近い枠) |
| 難易度 | 一番簡単 |
Microsoft Clarity 講座で使用
ヒートマップとセッション録画で「どこで離脱するか・何にイライラしているか」を見る、Google非依存の唯一のツール。デッドクリック・レイジクリック・クイックバック・過剰スクロール・スクリプトエラーの発生率を取得できる。
| できること | クリック・スクロール行動の異常検知、よく見られているページ、セッション録画(画面での確認) |
|---|---|
| 認証方式 | Clarity設定画面でトークンを発行(Googleアカウント不要) |
| API | Clarity Data Export API |
| 費用 | 無料 |
| 難易度 | 普通(1プロジェクト10リクエスト/日の制限に注意) |
3Web解析・計測基盤・ローカルSEO(GA4以外)
GA4以外にも、Web解析・計測基盤・ローカル検索の見え方としてClaude Codeが接続できるものがある。日本のEC事業者が使う可能性のあるものを中心に掲載。
| ツール | できること | 認証方式 | 講座 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Google Tag Manager(GTM) | 計測タグ(GA4・広告コンバージョン等)の設置・管理をコードを触らず行う基盤。どのタグがどのページに入っているかの一覧・公開履歴の確認 | SA招待(ユーザー+全コンテナ読み取り。GA4と同じGCPプロジェクトのSAで束ねられる) | — | GA4計測が正しく入っているかのトラブルシューティングに直結する。招待UIでコンテナ権限が既定「なし」になっている点に注意(「すべて設定→読み取り」に変更が必要) |
| Google Business Profile(GBP)API | Googleマップ・ローカル検索での表示状況、口コミ、閲覧数・行動数(インサイト)の取得(MEO=マップエンジン最適化の効果測定) | OAuth+API有効化申請(Googleへの利用申請が必要) | — | 実店舗併設・地域密着型のEC事業者に有効。申請から承認まで1〜2週間程度かかることがある |
| Chrome UX Report(CrUX) | 実際のChromeユーザーの表示速度データ(フィールドデータ)。PSIのラボデータと違い「本物の訪問者の体感速度」を見られる | APIキーのみ(PSIと共通のGCPプロジェクトで発行可) | — | PSIを補完する位置づけ。自サイトのトラフィックが少ないと十分なデータが集まらないことがある |
| ラッコキーワード等の検索ボリュームツール | キーワードの月間検索数・関連語・共起語の把握(seo-strategyの「更に深く取り組みたい場合」参照) | APIキー(ツールにより異なる) | — | GSCは「今の実績」しか分からないため、「そもそもどれだけ検索されているか」を知るにはこの種のツールが要る |
| Ahrefs / SEMrush | 被リンク(バックリンク)状況・競合サイトのキーワード獲得状況の分析 | APIキー(有料プラン) | — | 被リンク戦略(seo-strategyの対象外領域)に踏み込む場合に使う。月額費用が高め |
| Matomo | 自己ホスト型のオープンソースWeb解析(GA4の代替)。データを自社サーバーに保持できる | APIキー(自己ホストのインスタンスに対して) | — | 導入済みの事業者向け。新規導入は本キットの対象外(GA4を前提に設計) |
| Adobe Analytics | エンタープライズ向けWeb解析。GA4より高度なセグメント分析が可能 | OAuth Server-to-Server(Adobe Developer Console) | — | 大規模事業者向け。中小EC事業者には過剰。契約費用が高額 |
4広告
本キットは広告を対象外にしている(開発者トークン審査の複雑さ・広告費に直結する操作リスクのため)が、Claude Codeでの接続自体は可能。
①開発者トークン取得に審査があり講座の短時間には見合わない、②同じAPI経路でキャンペーン停止・入札額変更など広告費に直結する操作も可能なため、閲覧目的でも権限設定を誤ると事故になりうる。この2点はGoogle Ads・Merchant Center・Meta広告等、ほぼ全ての広告系APIに共通する。
| ツール | できること | 認証方式 | 講座 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Google Ads API | 広告費・CPC・CPA・ROAS・キャンペーン単位の成果。入札額変更等の操作も可能 | OAuth+開発者トークン(審査あり) | — | GA4接続だけでは広告費自体は見えない(流入・購入データまで)。本キットでは対象外 |
| Google Merchant Center API | Googleショッピング広告の商品フィード管理・出品状況・審査エラーの把握 | 開発者登録+SA/OAuth | — | Googleショッピング広告の出品者のみ対象。references/merchant.mdに参考資料あり |
| Meta Marketing API | Facebook/Instagram広告の成果(費用・リーチ・CV) | OAuth(Meta for Developers、ビジネス確認あり)/またはMCPサーバー経由(例:Pipeboard等のサードパーティHTTP MCP)でOAuth委任も可 | — | Meta広告を運用している事業者向け。審査・アプリレビューが必要。MCP経由でも初回のOAuth許可は人手で1回必要 |
| Yahoo!広告 API | Yahoo!検索広告・ディスプレイ広告の成果 | OAuth(Yahoo!広告アカウント) | — | 日本国内では大手ECで併用されることが多い |
| LINE広告 API | LINE広告の配信結果・CV計測 | OAuth(LINE Business ID) | — | LINE公式アカウントの分析(後述)とは別物 |
| Amazon Ads API | Amazon出店者向けのスポンサープロダクト広告の成果 | OAuth(Amazon Advertising API、審査あり) | — | Amazon出店者のみ対象 |
5ECモール・カート管理画面
site-learnスキルが扱う「サイトコードの取得」とは別に、各カート・モールが独自に持っている売上・在庫・受注データへのAPI接続。
| プラットフォーム | できること | 認証方式 | 講座 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Shopify Admin API | 商品・在庫・注文・顧客・組み込み分析(ShopifyQL)まで、管理画面の機能をほぼ全てAPI経由で操作・取得可能 | アクセストークン(カスタムアプリ or 公式Shopify連携) | — | 本キットのA型(ローカル同期型)カートの1つ。コード取得はsite-learn、売上データはAdmin API側 |
| MakeShop API | 受注・商品・顧客データの取得(developers.makeshop.jpで公開) | APIキー(管理画面から発行) | — | 本キットのB型(管理画面コピペ型)。コードはコピペで取得、データはAPIで取得という役割分担が可能 |
| カラーミーショップ API | 商品・注文・顧客データの取得 | OAuth | — | 公式ドキュメントで公開されているAPIあり |
| BASE API | 商品・注文データの取得 | OAuth | — | 限定的な範囲での公開API |
| 楽天市場 RMS API | 受注・在庫管理が中心。解析目的での利用は限定的 | APIキー(RMS内で発行) | — | 楽天市場出店者向け。本キットはECモール出店を対象外としている点に注意(site-learn参照) |
| Amazon SP-API(Selling Partner API) | 販売実績・在庫・注文データの取得 | OAuth(LWA:Login with Amazon) | — | Amazon出店者向け。登録・審査あり |
| STORES | API非公開(限定的) | — | — | site-learnではC型(コード編集不可)扱い。データ面でも自動連携は難しく、管理画面からの手動エクスポートが基本 |
6SNS・動画
広告ではなく、オーガニック(無料)投稿の反応を見る解析。エンティティSEO(seo-strategy参照)の効果測定にも使える。
| ツール | できること | 認証方式 | 講座 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Instagram/Facebook Insights API | 投稿のリーチ・エンゲージメント・フォロワー属性(広告とは別のオーガニック投稿分析) | OAuth(Meta for Developers) | — | ビジネスアカウントが前提 |
| YouTube Analytics API | 動画の視聴回数・視聴維持率・流入元 | OAuth(Google) | — | 商品紹介動画・使い方動画を運用している場合に有用 |
| LINE公式アカウント Messaging API | 配信メッセージの開封率・クリック率・友だち数推移 | チャネルアクセストークン | — | リピート促進施策(③購入頻度のレバー)の効果測定に直結 |
| X(旧Twitter)API | 投稿のインプレッション・エンゲージメント | OAuth 2.0 | — | 無料枠が大幅縮小されており、実用にはAPI利用料が必要な場合が多い |
7その他(技術指標・ヒートマップ・MA)
| ツール | できること | 認証方式 | 講座 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Hotjar | ヒートマップ・セッション録画・アンケート(Clarityの有料競合) | APIキー(Hotjar Insights、機能は限定的) | — | 無料枠はClarityより狭い。既に導入済みの事業者向け |
| Mouseflow | ヒートマップ・セッション録画・フォーム分析 | APIキー | — | フォーム分析(どの入力欄で離脱するか)に強み |
| Klaviyo | EC向けメール/SMS配信とその成果測定(開封率・クリック率・売上貢献) | APIキー | — | 「Make Repeater」等の国内MAツールの海外代替。③購入頻度施策の実行・計測基盤になりうる |
| Mailchimp | メール配信の開封率・クリック率 | APIキー / OAuth | — | 汎用メール配信ツール。EC特化機能はKlaviyoに劣る |
8認証方式の早見表
解析ツールの認証方式は大きく4パターンに分かれる。どれを使うツールかを知っておくと、初めて触るツールでも迷わない。
| 方式 | 仕組み | 向いている場面 | 本キットでの採用 |
|---|---|---|---|
| SA(サービスアカウント)招待 | ロボット用アカウントを対象ツールに閲覧者として招待。鍵ファイルで認証 | 無人・自動化・繰り返し処理 | ✅ GA4・GSC |
| APIキー | 1本の文字列を発行するだけ。SAより手軽だが権限の細かい制御はできない | 読み取り専用の軽い用途 | ✅ PSI |
| トークン発行 | ツール独自の管理画面でトークンを1つ発行(Google非依存) | Google以外のツール | ✅ Clarity |
| OAuth(ユーザー同意) | ブラウザでログイン・許可する方式。人間の操作が必要 | 本人が都度ログインして使うツール、複数ユーザーが使うアプリ | ❌ 不採用(初回の同意操作が要り、無人自動化に不向き。詳細はanalytics-connect/SKILL.md) |
9何から繋ぐべきか(優先順位の考え方)
- GA4(必須):これが無いと6ナンバーズが測れない。全ての土台。
- Search Console(推奨):④ユーザー数(集客)を伸ばす施策の材料になる。
- PageSpeed Insights(簡単なので早めに):APIキー1つで済み、⑤転換率のボトルネック(速度)をすぐ確認できる。
- Microsoft Clarity(使っていれば):⑤転換率の「なぜ」を掘り下げる。導入していなければ後回しでも可。
- その他(広告・SNS・カート管理画面API等):講座の範囲外。①〜④が回り始めてから、必要に応じて個別に検討する。特に広告系はキャンペーン操作の事故リスクがあるため、権限設定を1つずつ確認しながら慎重に進める。